グラント・ペイジ氏逝去

『マッドマックス』のスタントコーディネーターであり、オーストラリア映画界を代表する伝説的なスタントマン、グラント・ペイジ氏が自動車事故で亡くなったそうです。

ペイジ氏は昨年日本でBlu-ray発売された『スカイ・ハイ』でも、スタントコーディネーターやパフォーマー(ジミー・ウォングとの厨房での戦い)として、重要な役割を果たしていました。監督のブライアン・トレンチャード=スミス氏とはキャリアスタート時からの盟友で、多くの作品を共に作っています。

『The Stuntmen』(73)
『Kung Fu Killers』(74)
『スカイ・ハイ』(75)
『頑張れ!スタントマン』(76)
『STUNT ROCK』(78)

これら初期のトレンチャード=スミス監督作品に共通するのは、ドキュメント作品であろうが、劇映画であろうが、ペイジ氏を核に据えて、まずスタントパフォーマンスを見せる事ありきなところです。
そういう視点で観ると、『スカイ・ハイ』も、トレンチャード=スミス監督×ペイジ氏による一連の“スタントもの”という流れの中の一本である事がわかります。しかし残念ながら、日本では『スカイ・ハイ』以外はソフト化されていないという現状です。

こちらはブライアン・トレンチャード=スミス監督による追悼文です。

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ペイジ氏は『マッドマックス』(79)の危険かつ激しいアクションに関わり、オーストラリア映画界ここにありを世界に示すという偉業を成し遂げました。
また、『マッドマックス サンダードーム』でもスタント・コーディネーターを務めていますが、更にこれから公開される最新作『マッドマックス:フュリオサ』でスタントパフォーマーとしてクレジットされています。数え年でいうとなんと85歳。
IMDbでそのキャリアを見ると、まさに生涯現役を貫いた生きたレジェントである事がわかります。

2016年、オーストラリアのスクリーンNSWで、その偉業に賞を与えられた時の記事。プレゼンターはジョージ・ミラー監督。

遂に日本にお招きする事は叶いませんでしたが、『マッドマックス:フュリオサ』でどのようなパフォーマンスを披露しているのか、ペイジ氏最後を仕事を早く拝見したいものです。

グラント・ペイジ氏の御冥福をお祈りいたします。

2019年、『マッドマックス』40周年記念イベント会場にて